皆様はパンク・ロックというジャンルにどういったイメージをお持ちでいらっしゃる?
日本はやっぱり90年代末にハイスタが爆売れして始まったメロコアブームとか、ゴイステとかの青春パンクだったりのイメージが強いと思う。
もっと前ならスターリンとかINUとか、誰でも知ってるような有名どころを上げるならブルーハーツかな?
海外でもポップ・パンクとか、お前らパンクなん?って思うバンドもいるニューヨーク・パンクとかの1つのブーム、あるいはムーブメントを起こしたバンドは多いが、やっぱりSex Pistolsから始まるロンドン・パンクのイメージが1番強いと思う。自分もそう。
今回はそんなロンドンパンクムーブメントから現れた変人集団 XTCの1stアルバム White Musicのお話
当時のパンクって…なんかこう…モヒカンとか…ツンツン頭とか…そんなんじゃなかったっけ…?
まあルックスなんか別にどうでもいいんです。
イギリス国内外問わず後世のバンドに大影響を与えたあのXTCの1stアルバムやぞ!
全国のパンクス兄貴達は人生で初めてAV見たときぐらいドキドキしながら聴いてください。
(*´艸`)ドキドキ
#1 Radios In Motion
いや〜パンクですね〜
シンプルなリズム隊に荒々しいギター、捲し立てるようなボーカル。パンクのお手本みたいな曲だと思います。
これには訓練されたパンクス兄貴達も思わずニッコリなのではないでしょうか。
これは次の曲にも期待できるぞ!テンション上がってきたな!髪立てよか!服破いて安ピンで止めよか!
なんか鍵盤の音鳴ってるような気するけどたぶん気のせいやろ!パンクスは鍵盤など弾かぬ。
#2 Cross Wires
パン…ク…?
まあパンクバンドだってちょっと凝った曲やることなんか全然あるやろ!
ギターがカッティングとか単音で奇妙なフレーズ弾いてたりするけど全然パンクの範疇だと思います。ドラムとかめっちゃシンプルやし
え…?鍵盤のソロがある…?
#3 This Is Pop?
This Is Punk?(タイトル回収)
俺の知ってるパンクじゃない…少なくともこの年代のパンクのイメージからはかけ離れてる。
なんならロンドン・パンク収束後に勃興するポスト・パンクサウンドに近い。
でも、よく考えてみてほしい。
二言目にはアナーキストだとか反政府だとか左向いて叫んでた当時のパンクバンドを尻目にヘンテコポップな音楽を奏でてThis Is Pop?(なんで疑問形なん?自信持てや)とか歌ってるバンドってめちゃくちゃパンクじゃない??
音楽性よりも精神性を重視するパンクというジャンルで語るなら、自分はそうだと思います。
#4 Do What You Do
これはパンク
ただ勢い重視の曲の中にも、凝ったギターフレーズや、鍵盤との掛け合いになっているソロパートなど、趣向を凝らしている。
摩訶不思議なフレーズを鳴らしていても、前衛的にはならずポップミュージックの枠組みに収めてくるのがこのバンドのセンス。
#5 Statue of Liberty
この時代のバンドによくある、レゲエやスカ、ダブなどのアフリカ音楽に影響を受けた楽曲
変な曲だらけの本作において、数少ない時代を感じさせる曲です。
みんなもアンディ・パートリッジ兄貴と一緒に歌おう!
ブッブーゥ!
#6 All Along The Watchtower
ファミコンゲーのゲームオーバー画面のBGMみたいなサウンドから始まるのは、まさかのボブ・ディランのカバー
大胆なアレンジとかいうレベルではなく、フォークロックである原曲に対して完ッ全にファンキーなブラックミュージックに変貌している。共通点ハーモニカだけやがな!
パンクバンドがやることじゃないです。マジで。
#7 Into the Atomic Age
なんかこういうパンキッシュな曲が来ると安心してしまう。
でもイントロなり、間奏なりで何これ?ってなる要素をぶち込んでくるのがXTCクオリティ
普通のことしたら死ぬんか?
#8 I'll Set Myself On Fire
ハッハッハー!ホッホッホー!
マリオかな??
マッチを擦る音から始まり、緊張感があるのか、ポップなのかよく分からない歌い出しから開放感のあるサビへの流れがいいね。
ディレイをかけたギターソロも特徴的。
すーぐ変なことするんやからこのバンドは
#9 I'm Bugged
この曲もブラックミュージックのエッセンスを感じる。
歌詞はみんな同じ格好しててキモい!みたいな内容。分かる。
壊れたおもちゃみたいな音で弾く鍵盤のソロ、こういうのめっちゃ好きです。
本作では珍しく、ポップさよりも気味悪さが先行する曲
#10 New Town Animal In a Furnished Cage
タイトル長ッ!打つのだるいわ!
そのくせ曲は短い。もうなんなんこの人達…
急に鳴る鍵盤のガーン!で初見の人は絶対ビビる。
そろそろみんなXTCがパンクバンドってこと忘れてそう。
パンクス兄貴達の困惑する顔が目に浮かぶわ。
#11 Spining Pop
やめろ!パンクのドラムが凝ったビート叩くな!ベースも8分音符のルート弾き以外すな!
途中で思い出したようにパンキッシュになるな!
当たり前みたいにギターと鍵盤が変なフレーズでユニゾンすな!
こんな曲パンクスが聴いたら泡吹いて倒れると思いますが、僕はパンクスでは無いので大好きです。
#12 Neon Shuffle
本作ラストにして、本作の音楽性を象徴するような曲
ここまで変な曲聴きすぎてシンプルにかっこよく聴こえません??
聴こえない方は初めからもう1周してください。
最後にパンキッシュな曲を持ってきてくれたおかげで途中で気絶したパンクス兄貴達も息を吹き返したことでしょう。
ありがとう、XTC
ありがとう、アンディ・パートリッジ兄貴
ところで、bam bam bam bambooってなんすか?
以上、XTC White Musicのお話でした。
現在サブスクで配信されているのは、ボーナストラックが追加されたバージョンでまさかの全19曲収録 パンクスじゃなくてもさすがに泡吹いて倒れるわ
パンクバンドがどうのこうのと宣っておりましたが、XTCがパンクバンドだったのは本作とギリ次回作ぐらいで、それ以降はさらに変人ポップ集団に磨きをかけます。
てか、本作時点でパンクバンドと言うよりは、パンクの手法を用いたヘンテコポップバンドという印象が強い。XTCは初めからXTCというジャンルのバンドやったってことや。
できれば傑作と名高い4thアルバムのBlack Seaか、9thのOranges & Lemonsのどっちかを語りたかったけど両方とも全曲の感想が「なにこれ?」で話にならない可能性が高かったため断念
ちなみに9th収録のThe Mayor of Simpletonはこの世で1番キャッチーな曲なので必聴
XTCは日本のバンドにも多大な影響を与えているので、みんなが好きなバンド、ミュージシャンも影響を受けているかもしれないぞ!
カジヒデキとか。
The Mayor of Simpletonと聴き比べてみてね。
ほな…また…