バンドと言うのは、長く続けて行けば行くほど音楽性が変わってしまうものだと思う。
活動年数だけで言ってもそうだが、長年活動しつつコンスタントに音源をリリースするバンドであれば尚更そう。BUCK-TICKとか。
それを良しとするか悪しとするかはバンドやリスナーによって変わるので、特に否定も肯定もしない。
まあ、凛として時雨みたいな初期から既に完成されている自分達の音楽をひたすらアップデートし続けるやべーやつらもいるが。
音楽性が変わったというテーマで今回はオーストラリア発、ノイズ・インダストリアルバンド SPKの4thアルバム Machine Age Voodooのお話
破壊衝動と狂気を音楽で体現したようなノイズ・初期インダストリアル界隈において、本物の狂気で存在感を放っていた精神病院の看護士と患者で結成されたSPKだが、主に狂気成分を担っていた前ボーカルが脱退後自殺したことにより今作では女性ボーカルを加えて制作されている。
本作は従来のリスナーからは不評だったそうだが、当時勃興していたハウスミュージックにインダストリアルの要素を合わせた結果、暴力的かつポップに仕上がっているので自分は大好き。
前語りが長くなってしまったので曲のお話へ
#1 Machine Age Voodoo
🏆優勝🏆
いきなり表題曲、そして優勝。
もうこの曲が全てなんです。このアルバムは
ポップな曲調に要所要所で挟まれるノイズと金属音 この時代にこんなにインダストリアルをポップに昇華できてたバンドってマジでいないんじゃないでしょうか。メタル要素取り入れてたバンド多かったし。
2サビ終わりのブレイクが最高なので聴いてください。聴かないなら帰れ。
#2 With Love from China
歌モノってことでいいんかな?これは
前曲はまだしも、SPKがまさかこんな曲をやるとは当時のリスナーも思ってなかったんじゃないでしょうか。
↓こんな曲やるようなバンドやったし。(大名曲)
#3 High Tension
タイトルが直球すぎる。そこまでテンションが高くないとこも好き。
これまたブレイクがかっこいい曲。
陽キャ兄貴達はEDMじゃなくてこういう曲聴けよ。車で。
#4 One World
イントロがイカれてる。
どうやって作ったん?これ。もしくは、どっからサンプリングしてきたん。
この曲はインダストリアルよりテクノ感を強く感じる。
#5 Flesh and Steel
この曲もテクノですね。
サックス風の音やピアノの音も入るが、金属音もしっかり入ってるあたりやっぱりインダストリアルバンドだなと。
どの曲でもそうやけどサンプラーの使い方が上手すぎる。
#6 Metropolis
スラップベースが入るだけで急に生バンド感出るよね。
メトロポリスってタイトルにすごくレトロフューチャーを感じるのは自分だけか。
シンセの音がもろに80年代で、平成生まれのアッツでもノスタルジーを擽られます。
#7 Metal Dance
いや、どの曲もMetal Danceやないかい!って思った人も多いかと思います。分かる。
スタジオライブの映像残ってるけど、テレビの収録でドラム缶叩いてステージ上に炎焚いてるの面白すぎる。テレビ局出禁やろこんなん。
暴力的な演奏の中に綺麗なピアノパートを挿入するセンス。最高
#8 Seduction
前曲と雰囲気は近い。
シンセベースを低音の主軸にしているからか、スラップベースを効果音のように使用しているのが印象的。
スラップベースと歌メロのユニゾンとか普通やらんやろ…
#9 Crime of Passion
本作ラスト 急におしゃれになるやん。
元ノイズバンドがクリーントーンのギターとか使うな
こういう曲を聴けば古参リスナーから反発があるのも理解出来る。
まあ、古参SPKリスナーとか狂人しかいないと思いますが。
まさか歌モノで本作を〆るとは思わなんだ…
以上、SPK Machine Age Voodooのお話。
SPKというバンドとしてどうなのか。って話になれば何とも言えないところはあるが、アルバム自体は良作になると思います。
てか、前作までがエグすぎただけで今作も普通ではないからな。
気になった人は編集盤のAuto Da Feを聴いてください。サブスクでは聴けないが、前述の世紀の大名曲 Sloganも収録されているので。
皆様も良き騒音生活を。
ほな…また…