ひとつのジャンルに属するバンドというものは、そのジャンルのリスナー以外には区別がつかないというか、どれも同じに聴こえてしまうということがよくある。
自分もメロコアバンドはBRAHMANと初期Hawaiian6以外は同じに聴こえがち。
だからこそ、そのジャンルの中で圧倒的な個性を持つバンドが魅力的に感じるというわけでもあるが。
今回は90年代シューゲイザーシーンから現れた、インダストリアルシューゲイザーバンド CURVEの1stアルバム Doppelgängerのお話
インダストリアル+シューゲイザーという時点でどう考えてもマニアックそうな音楽性だが、意外とインダストリアルとしてもシューゲイザーとしても聴きやすいので、どちらの初心者リスナーにもオススメできる。
初手からマイブラ聴いたりNIN聴くのもいいけどハードルは低い方がいいやろ?
ってことで曲のお話へ
#1 Already Yours
いかにもインダストリアルなビートから始まる1曲目
こういうビートにはメタリックなギターか、金属音のようなノイズを乗せるのがセオリーだと思っていたが、これもあり。
シューゲイザー的なギターにサンプラーからの音が混ざるのもインダストリアル感マシマシでいいですね。
#2 Horror Head
ウィスパーボイスから始まるマッドチェスター風味のダンサブルな曲
マイブラにもこういう曲あったけど、なぜ当時の陽キャ音楽であるダンサブルなロックと陰キャ音楽であるシューゲイザーはこうも相性がいいのか。
#3 Wish You Dead
これはインダストリアル寄り。
歪んだベースやギターの刻みはなかなかシューゲイザーでは聴けないので今更ながら新鮮。
こういうギターもマイブラの壁みたいな音とは別の凶暴さがあっていいでしょ?
#4 Doppelgänger
表題曲にしてシューゲイザー感がない曲
かっこいいしめっちゃ好きやけどただのリバーブ強めのインダストリアルなんですよねこれ。
でもこの雰囲気ってこのバンドにしかないんです。唯一無二。好き。
#5 Lilies Dying
表題曲よりもこのアルバムの音楽性を体現しているような曲
空間を埋めるようなギターと左右の耳でバシバシ鳴ってるパーカッションはまさにインダストリアルシューゲイザー
#6 Ice That Melts the Tips
比較的キャッチーな曲なんじゃないでしょうか。
ハーイハーイハーイのとこすき。
ただキャッチーなだけでは終わらずしっかりエグめのギターを聴かせてくれるし、アウトロはカオス
#7 Spilt Into Frantions
急にベースでかなるやん。
この曲もマッドチェスター調ながら、間奏部分はしっかりインダストリアル。ノイズギター、シンセ、パーカッションのアンサンブルを聴かせてくれます。
#8 Think and Act
私的本作ベストトラック 冒頭のノイズから優勝間違いなし
全てにおいてバランスがいい良曲なのだが、何故かこの曲にU2みを感じてしまう。
まじでなんでなんやろ。誰か教えてください。
#9 Fait Accompil
このアルバム、急に低音が強くなるのなんなんすかね。
冒頭の左右を行き来するシンセがEBMっぽい(EDMじゃないよ)
あんまりベースが意識されないシューゲイザーというジャンルで低くうねるベースが聴けるのも珍しいと思います。(今更)
#10 Sandpit
いや、めっちゃシューゲイザーやないかい。
本作ラストにして純度100%のシューゲイザー
まあ、ちょくちょくカンッ!って音入るからインダストリアル要素無くはないんやけど…
でも、この轟音ギターと消え入りそうな声は王道のシューゲイザーでしょ。
やればできるやん。
以上、CURVEの1stアルバム Doppelgängerのお話。
インダストリアルシューゲイザーというありそうでなかった組み合わせだが、結構いい組み合わせだと思います。もっと流行れよ。
次のアルバムはもっとインダストリアル要素が強くなっているので興味があれば是非聴くように。
それでは、良き騒音生活を。
ほな…また…