同じ邦楽でありながら、V系シーンといわゆるロキノン系や邦ロックと呼ばれる(個人的に好きでは無い呼び方)シーンは隔絶されている傾向がある。
V系リスナーはそうでは無い気もするが、ロキノン系リスナーはV系を忌避しがちなような。
まあ、ド偏見ですが。
自分のようなそこまでV系にどっぷり浸かっていないリスナーでもそう感じるのだから、たぶんその通りなんだろう。
いや、ド偏見ですが。
今回は、邦楽ラウドシーンとV系シーンを繋ぐロックバンド lynch.のインディー作 THE AVOIDED SUNのお話
モダンなヘヴィサウンドを基調としつつ、往年のV系由来の妖艶なメロディーを併せ持つバンドで、前述の通り日本のラウドロックフェスに参加するなどシーンを繋ぐ存在となっているベテランバンドであります。
だが、バンドは自分たちを○○系というカテゴリに括らないというスタンス。かっけえなオイ
それでは、曲のお話へ。
#1 liberation chord
いきなりシャウトからスタート。
V系のアルバムと言えば冒頭は曲数稼ぎ雰囲気作りのSEから始まるのが定番だが、しっかりlynch.らしい曲から始めるところに硬派さを感じます。
#2 I'm sick,b'cuz luv u.
この世で1番の名曲
シャウトあり、メロディあり、ヘドバンパートあり、シンガロングあり、音源で聴くだけでも楽しめるが、ライブのためにあるような楽曲
後にベストアルバムで再録されているが、半音下げでさらにヘヴィさが増しており、更に名曲に。
この曲を聴くために本作を購入したと言っても過言では無い。
#3 roading in the dark
この3曲の繋ぎが良すぎる…
メンバー全員がLUNASEAから影響を受けているが、この曲は特にその影響が感じられる。
曲調もだが、ツインギターの役割分担とかめっちゃそれっぽい。
こういうバンドの影響が垣間見える瞬間っていいですよね。
#4 ecdysis
ニューメタル直系のミディアムテンポ曲。
同ジャンルらしくヘヴィさを全面に出した曲かと思いきや、サビは開けた雰囲気でメロディアス。
ダーク、ハード、メロディアスというV系3大要素を遵守する姿勢に👏
#5 forgiven
引き続きニューメタル曲で、こちらの方がメインのリフはヘヴィ。
ニューメタルサウンドに透明感のあるアルペジオ載っけるのってlynch.ぐらいなんじゃないかと思う。
ニューメタルバンドってKOЯNの影響でクリーンはキモい音(褒めてる)を出すのに使いがちなイメージある。
#6 anemone
THE 王道V系ソング
この疾走感と切なさのあるメロディは正に王道
正統派の楽曲ながら、重たい刻みパートがあるのがlynch.らしくていいですね。
#7 the universe
一転してラウドな曲へ。リフはヘヴィだが、とてもキャッチー こういうダサい(褒めてる)フレーズは大好物なので一生聴けますね。
コーレスもあるのでライブ映えしそう。
#8 dazzle
こういうミュートを絡めた某9人組的なリフにものすごく00年代を感じます。絶対分かる人おる。
V系らしくヘヴィかつメロディアスな曲もいいが、この曲みたいな攻撃力に全振りした曲もまた別の良さがあるもの。
#9 enemy
全曲と雰囲気は近いが、歌メロが無くてシャウトに特化しているのこちらの方がよりダーク。
現在の葉月氏に比べると当然発展途上感はあるが、それでも十分シャウトのクオリティは高い。
2分ちょいを駆け抜けるような疾走感があるのも◎
#10 prominence
ヘヴィな楽曲を中心にしたバンドがこういう6分もあるバラード的な曲を演奏するのってけっこうすごいんすよ。
楽器陣の力量ももちろんだが、ボーカルに歌唱力がないと成立しない。
さすが界隈屈指の歌って叫べるボーカリスト
#11 from the end
本作ラスト 暴れ曲でアルバムを締めるかと思いきや、まさかのドラマチックな王道曲。
間奏にシューゲイザー感があって、バンドの音楽性の広さを感じさせます。
ラスサビで盛り上がりを見せて、更に曲を広げるかと思いきや意外にもスパッと終わっちゃう。
思わずもう一周してしまいますね。(以下無限ループ)
以上、lynch.のインディー作 THE AVOIDED SUNのお話
インディーズでこの完成度なのすごくないですか??代表曲ADOREよりも前ですからねこれ。
lynch.の人気って単純なバンドとしてのかっこよさだけじゃなくて、このブレなさにもあると思うんです。
路線変更や、活動を続ける中で音楽性が変わるバンドが悪いとかそういう話では無いが、結成から今の今まで愚直なまでに自分たちの音楽を突き通すバンドは割増でかっこよく見えるのです。
今回はここまで。なんか久しぶりに大真面目な記事書いた気がする…
ぼな゙…゙ま゙だ…゙(シャウト)