ロックというジャンル、もしくは他のジャンルにも存在するかもしれないが、コンセプトアルバムと称される作品がある。
古くは、架空のバンドのショーという体で楽曲が展開されるビートルズのサージェントペパーズ、アルバム全体でひとつの物語になっているザ・フーのトミーなど。後者はロック・オペラとも呼ばれているが。
それらは、ただの楽曲の寄せ集めではなく、アルバムトータルでひとつの作品とする考えを突き詰めたような、ロックの芸術性を高めた名盤達である。
ということで今回は、バンドブームを代表するバンド ユニコーンが1990年にリリースした謎コンセプトアルバム おどる亀ヤプシのお話
ジャケからして迷盤臭がプンプンしますね…
当時、アイドル的とも言える人気を得ていたユニコーンだが、レコード会社によるアンケート結果から子供からの知名度がないことが判明。
その結果、母と子のアルバム、親子で楽しめるアルバムというコンセプトの元に子供向けとして制作されたのが本作 地雷臭すごい…
とりあえず曲を聴いてみますせう
#1 初恋
は?
これが子供向け??
初手からトーキング・ヘッズとかディシプリン期のキンクリみたいなワールドミュージックを取り入れたニューウェーヴ風の楽曲から本作は開幕
子供視点の歌詞ではあるけど曲調がマニアックすぎる…
まあ次の曲も聴いてみよう
#2 ママと寝る人
ジャズ!?
子供向けアルバムで攻めすぎやろ!!どうしてこうなった…
本作はメンバーが制作した楽曲を外部のアレンジャーに編曲を依頼したそうな。
ほな納得できるか…
子供から見た父親を描いた歌詞だが、父親をママと寝る人と称するセンスは流石
#3 12才
戦前歌謡風の楽曲
でも、要所で挿入されるギターオーケストレーションは非常にロック
受験勉強をしている子供を描いた歌詞だが、情景描写が秀逸
あと、サビのキーがクソ高い。ユニコーン屈指の高さなんじゃないかと。
#4 ボサノバ父さん
タイトルの割にはそこまでボサノバ感がない曲
ボサノバらしくはないが異国情緒は感じる
本作では珍しく子供目線ではなく、父親視点の歌詞
一体何がしたいのか。
前曲のようなハイトーンも良いが、奥田民生のボーカルはこういう感じのだらけた雰囲気の曲によく合うと思う。
#5 PTA〜光のネットワーク〜
あのTM NETWORKの盛大なパクリパロディ
生徒から見た教師を描いた歌詞で、教師の大変さがよく分かると思います。しらんけど
全編ほぼ打ち込みのため、ライブでは1度も披露されなかったが、公式による全楽曲の人気投票であらゆる名曲を押しのけて上位に君臨し、ファンベストアルバムにも収録された謎人気曲
再結成後のライブで初披露された時は大盛り上がりしてました。
#6 俺の走り
まあ、ここまで来れば今更驚きません。変な曲ではあるけど。
中盤からの謎テンションで毎回笑ってしまう。
果たしてユニコーンを知らない子供が初めて聴いたときに何を思うのか…
かっけぇ!!とはならんやろ
以上、ユニコーンのおどる亀ヤプシのお話でした。
子供向けというコンセプトを前提として聴くと、歌詞以外に子供に受ける要素が見当たらない怪作ですね。
まあ、コンセプト抜きにしても怪作なんやが…
ちなみに、現物が今手元にないので画像は上げられないが本作は歌詞カードが飛び出す絵本になっています。そのこだわりなんなん?
手放しで褒めることはできないが、面白いアルバムなので一聴の価値あり
ほな…また…